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「はい。本当に、申し訳ありませんでした。」怪しい女の人は、炎獅の言葉に納得し、泣きながら、謝った。
「いったい、何があったんですか。よろしければ、話して頂けますか。」
女の怪しい人は、暫く黙っていたが、ようやく重い口を開いた。
「は…はい。私の夫は、酒癖が悪く、その上暴力をふるう人だったんです。ですから、子供(赤ん坊)を連れて、家を出たんです。家を出てからの生活は、そりゃぁもう大変でした。でも、子供の為に、頑張って働きました。ようやく、生活が安定してきた頃、身に覚えの無い借金を返せと借金取りが、来て家中の物を全て持ってかれてしまい………。」
「それで、自棄を起こして、こんな事をしようとした訳ですね。」「は…………はい。」女の怪しい人は、小さい声で、答えた。
「もう二度とこんな事をしようなんて、考えないで下さいね。」
炎獅の言葉に、また小さい声で、女の怪しい人は、答えた。
「これを、差し上げましょう。」
と言いながら、炎獅は、ズボンのポケットから、飴玉を取り出した。
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