-弐-

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  ただの夢。 僕の思い込み。 彼女が罪人だなんて考えたくない。 その夜、彼女の細い声が聞こえて振り返る。 振り返るとそこには僕の背にひたりひたりと手を伸ばし、抱きついてくる彼女。 彼女はこう言った。 「愛しいアナタ……やっと掴まえた。」 「もう…離さない。」 ゆらり ひらり 舞う桜を契りに……私と共に。 「ほら…こちらへ。」 白い顔した僕が最後に見てしまった部屋。 そこには異常な数の男性の逆さ死体。 「アナタも離さない。最後に逆さの見物客を忘れないくらい目に焼き付けて」 「逝きましょう。」  
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