妖しその目に何が映る(前編)

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やっぱり出ます。の言葉がスーと消えた。 この男の笑顔には勝てない。 また戸惑う女に男はイスを引き、少し強引に座らせた。 「最近寝不足でしょう?落ち着ける紅茶をお持ちします」 どうして知ってるんですか? 言葉が出てくる前に男はカウンターの奥へと消えた。 この店に入って不思議なことばかり。 男は他人なのに何故か安心できる。 太陽の光は暖かく、庭を見れば疲れきった体が自然と休まる。 やはり花は癒し系だ。 と思いながら、再び店内を見回した。 女の客しかおらず、ウエイター目当てなのだと確信が持てる。 しかし何故こんなにも睨まれないといけないのか。 自分で言うのは何だが、そこまで自分は可愛くない。 それよりここにいる女性達のほうが可愛い子や、綺麗な人がいる。 目の敵にしなくとも彼関係なく、男なら皆そっちをとるだろうに…。 「どうぞ」 「……ありがとうございます」
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