妖しその目に何が映る(前編)

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目の前に出されたのは、ハーブティと甘い匂いが広がるスコーンと小さなイチゴケーキ。 これさえもオシャレ。このスコーンをどうやって食べるのか必死で考えるも、割って食べる。そのまま食べるの二択しか出てこない。 それを察してくれたのか、「お好きなようにお食べ下さい」と言ってくれた。 「自己紹介が遅れました。私の名前はジャック・オー・ランターンです」 「…あのカボチャの名前ですか?」 「ええ、ここは「いつでもHalloweenを」がモットーですので」 この人…ジャックと会話していると、他のことなどどうでもよくなる。 気になっていた視線も気にならなくなり、ジャックとの会話に花が咲く。数日ぶりに笑った気がする。 「ところで、貴方は今何に苦しんでいるのですか?」 「ッ!」 紅茶はあまり好きではなかった。だけどこのハーブティは気持よく飲める。喉を通り、胃に到達すると体全体に染み渡る。 もう一口…。と口に運ぶ瞬間のことだった。その言葉でどこか現実離れしていた思考回路が再び戻り、恐怖が蘇ってくる。
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