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目の前に出されたのは、ハーブティと甘い匂いが広がるスコーンと小さなイチゴケーキ。
これさえもオシャレ。このスコーンをどうやって食べるのか必死で考えるも、割って食べる。そのまま食べるの二択しか出てこない。
それを察してくれたのか、「お好きなようにお食べ下さい」と言ってくれた。
「自己紹介が遅れました。私の名前はジャック・オー・ランターンです」
「…あのカボチャの名前ですか?」
「ええ、ここは「いつでもHalloweenを」がモットーですので」
この人…ジャックと会話していると、他のことなどどうでもよくなる。
気になっていた視線も気にならなくなり、ジャックとの会話に花が咲く。数日ぶりに笑った気がする。
「ところで、貴方は今何に苦しんでいるのですか?」
「ッ!」
紅茶はあまり好きではなかった。だけどこのハーブティは気持よく飲める。喉を通り、胃に到達すると体全体に染み渡る。
もう一口…。と口に運ぶ瞬間のことだった。その言葉でどこか現実離れしていた思考回路が再び戻り、恐怖が蘇ってくる。
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