姿なき声

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「お前の母さん、ホントは連れていきたいんだぞ。」 「誰?何で頭の中で声がするの?」 「いいから聞けって」 「…負担なのかも」 「ちがうな。少なくとも、ここなら、金の苦労がない。あの人が今まで我慢したのは、お前がいたから。高校卒業するまでって思ってたんだろ。」 「でも…」 「あと半年だろう。」 「うん。私母さんと…って言ったんだけど。」 「聞いてたよ。押し弱すぎ、お前(笑)」 「でも、二人が決めたならしかたないよ。」 「まぁな。行き来はできるんだからな大事にしてやれ。よく頑張ってたよ」 「何で知ってるの?」 「ずっと見てたから。お前、俺怖い?」 「怖いっていうか…」 「安心しろ、俺、成仏はしてるから!」 「って事はやっぱり…」 「そ。幽霊だ。ただし、善意のな!」 うそ…。
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