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透はすごく優しい。
あの時の言葉通り側にいてくれたし、時々美味しいお菓子を食べさせてくれた。
まぁ、実体がないだけに作るのは私なんだけど、言われた通りに体を動かすと、手際もよく、とても美味しいお菓子ができる。
今も私の好きなチョコレートケーキを焼いていた。
「お母さん、元気そうでよかったな。」
ケーキの焼き加減を確認すると私はうなずいた。
「仕事は忙しいみたいだけどね」
透がタバコに火をつけた。
私はたばこは吸わない。高校生なんだから、当然といえば当然なんだけど。
「やっぱりタバコはいいな」
嬉しそうに煙りをはいた。
透は優しいし、いい話し相手だ。
パテェシエだったらしくて、美味しいお菓子も食べられる。
ただ、たまに我が儘をいいだす。
このタバコもそうだ。
今はしかたないので、お線香をあげてるつもりでたまに吸う。
おかげでタバコの味を覚えてしまった。
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