1095人が本棚に入れています
本棚に追加
壁一面真っ白な世界。ドアも天井も、壁際にあるベットまでもが全て真っ白である。
その痛い程白い部屋の中、中央に肌色が三つ。三人は向かい合うように、正三角に座っている。
三人の一人、部屋唯一の出入口である真っ白なドアから、最も離れた椅子に座る男が口を開いた。
「いよいよだな」
静かに響いたその声に反応するように、他の二人がゆっくりと頷く。
「俺達は……童話の創造主」
声を出すのは一人だけ。他の二人は頷くだけ。
「俺達は……童話を語る者」
声の男は左右に目を移し、二人の顔をしっかりと見る。その男は深く息を吸い込んだ。その動作を合図とするように、三人同時に口を開く。
「俺達は……この国を愛する者」
声が止んだ部屋の中、三つの影は消えていた……
最初のコメントを投稿しよう!