Chapter2   「二人だけの秘密の日々・立場と言う枷」

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■ユウの家 マリィと別れ、自分の部屋の窓から中へ入るユウ。 ユウ「ふぅ…」 と、その時、ドアをノックする音。 ユウ「っ!?は、はい!」 ドアが開き、母親が中に入ってくる。 シルビア「マリィが帰ってきたから夕飯にしますよ。手を洗ってらっしゃい」 ユウ「うん」 そう言い立ち去るシルビア。 脱力してその場に座り込むユウ。 ユウ「か…間一髪だったぁ…υ」 ユウ「(N)そんなこんなで私達は毎日、同じ時間、同じ場所で会っていたの。セトといられるだけで嬉しくて、どんな話をしてても楽しくて、ついつい時間を忘れてしまうの。 だから、とうとうやっちゃったの。一番やっちゃいけなかったこと…。そう…とうとう見つかっちゃったの…。 お母さんに私が外に行ってる事がバレちゃったの―――」 ■居間 シルビア「あれほど外に出てはいけないと言ってきたのに、それを守らないで!」 ユウ「ご…ごめんなさい…」 涙目で俯いているユウ。 マリィ「お母さん、もうそのぐらいにしてあげて!ユウが可愛そうよ…っ」 シルビア「貴女は黙っていなさいっ ユウ…貴女はまだ自分の立場がわかっていないようね…」 ユウの腕を掴み、どこかへ連れていこうとする。 ユウ「!?い…痛いっ痛いよ、お母さん…っっ」 マリィ「ユウ!?」 ユウを引きずるように連れていくシルビア。 マリィも心配そうな顔でついていく。 連れてこられた場所は水晶玉が祀(まつ)ってある祠。 ユウ「…お母さん…?」 ■祠の中 シルビア、鍵を開けると、ユウをその中に放り込む。 ユウ「きゃっ…」 地に身を伏せるユウ。 すぐに鍵をかけられる。 ユウ、扉に駆け寄って、 ユウ「お母さんっ ここからだしてよっ」 シルビア「ダメよ…。今日から貴女はそこで暮らすのよ…。安心しなさい。食事はちゃんと運んできてあげるから…」 と、その場からいなくなる。 ユウ「お母さんっ 開けてよっっ ここから出してよ~~~っ!!!」 少し離れたところから、マリィの声。 マリィ「っ…お母さんっ これは酷すぎます!ユウーーー!!」 地面に膝をつけ、涙を流すユウ。 ユウ「…っ 出して…っ …セト…っ (M)どうしよう…セトには私の状況がわからない…。私…もうセトに…セトに会えないの…?そんなの…そんなの嫌…っっ 嫌だよ…っ」
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