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ユウ「…わかるよ、その気持ち。私も同じだもん…」
セト「そう、なのか?」
ユウ、静かに頷く。
ユウ「私もずーっと外に出ちゃダメだって言われてきたの…。私、巫女だから…」
セト「巫女?」
ユウ「うん。えーっとね…」
と、服の中に隠していたネックレスを取り出す。
ユウ「これが証なの。お母さんから受け継いだモノ…。私にはお姉ちゃんがいるんだけど、巫女になれる資格を受け継がなかったから…私に回ってきたの…。」
セト「巫女になれる資格?」
ユウ「そう…。この金色の目が資格なの…。私の使命は、これを守る事」
と言った後、すぐに服の中にしまう。
セト「大変だな…」
ユウ「ううん、セト君に比べたらこんなの全然だよ」
と、悲しそうな顔をして、
俯くユウ。
ユウ「でも…ね…」
セト「…ん?」
ユウ「でもね…外に出られないせいで…友達とか…いないの…っ」
泣きそうな声で話すユウ。
ユウ「…ホントは…とっても辛いの…」
そんなユウを見て、
そっと抱き締めるセト。
ユウ「………っ!!?」
驚いて、セトを突き飛ばすユウ。
セト「……」
ユウ「せ…セト君っ い…いきなりなな…何するのよっっ///」
耳まで真っ赤にしているユウ。
セト「ふ…純粋な反応を見せてくれるな」
ユウ「もう、すっごく驚いたんだからっ」
ムッとした顔で、セトを見ている。
セト「そんな顔をするな…。
…ところで」
ユウ「…何?」
セト「…さっき友がいないと言っていたな」
ユウ「う、うん…」
セト「…なってやろうか…?」
ユウ「ホントっ?!」
セト「だがっ」
と、ずいっとユウに迫るセト。
セト「『友』としてはならん」
ユウ「え…?」
どういう意味と言う顔をしているユウ。
ユウ「……」
セト「…『恋人』にならなってやってもいい…」
ユウ「…恋…人…?」
微妙な反応をしているユウを見て、再び抱き締めるセト。
ユウ「!?」
セト「どうするんだ…?」
ユウ「…私なんかで…ホントに…いいの…?」
消え入りそうなユウの声。
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