不良品のわけ

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それは勢いよくカバンから飛び出した 強すぎるからとくれた、携帯扇風機だ! ボクは扇風機をしっかりつかんだ。扇風機は右へ左へ暴れた。 強すぎるからって、めちゃくちゃ強いじゃないか!こんなの、涼むって言うより… まさに兵器級だ!ばかやろう、ほかの用途で作れ! 小さな竜巻が出ているように、扇風機の起こす風は渦巻き轟音を立てる。 その風はオオカミ男の顔を容赦なく吹き付けた。 うわ…か……ぅあ あまりの風圧で声が声になっていない。 オオカミ男はボクを放した。 風力が強すぎてボクの力じゃ抑えられるレベルではなかった。 ボクは体ごと振り回された。ザーッと押されたと思ったら少し体が浮くし、クルクルと横に回転したと思ったら縦にひっくり返された。 モウモウと砂煙が上がった。傷だらけになって体が痛い。こいつをどうにかしなくちゃ… そうか、放してしまえばいいんだ!
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