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「コーヒーいるか。」「あぁ、もらおうか。」
「それにしても、あのボウズよく生きてたなあ。」
「幸いにも、突っ込んだ店がじゅうたん屋だったんだ。じゅうたんにグルグル巻かれて見つかったらしいぜ。」
「ふーん。
ところでな、町の人にボウズのこと聞いてみたんだが、誰も見たことない子だ、て言うんだ。」
「この町はどの隣町からも遠いぜ?」
「そうなんだよ。家出して逃げてきたっていうのは考えにくいんだ。この町はヒト族が少ないから、もし誰かの子供ならすぐ分かるのだが。」
「うーん、それじゃあ身よりがないってことなら、誰も引き取りに来ないんじゃねぇか。
おいおい、お守りも勘弁だぜ。」
「それにな、あのボウズ、町の人等に
けがれ山がどんなとこだの、連れて行ってくれだの、
聞いて回ってたらしいんだ。」
「あんなところにガキ1人で何をしに……
おい、最近けがれ山の奴らが反乱の準備をしてるっていう噂だょな?」
「あぁ、内通者ってことも考えられるな。子供なら油断するだろうし、その可能性がないわけではない。しばらく警戒する必要があるな。」
「少し牢屋で我慢してもらうか。」
――ぉーぃ、このカバンどうしとくよ
――その辺に投げとけ
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