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外の様子はどうだろう
ボクはナイフを壁に刺し、それを足場にして窓枠に飛びついた。
どうやら外は芝生の広場で、建物の裏側らしい。よし、警備員もいなさそう……
いや、懐中電灯の光が廻ってくる!
少し観察した。どうやらほぼ一定のペースで建物の周りを廻っているらしい。しかしそのペースは3分に1周ぐらいだ。
ボクは計画を立てた。
①1回目に警備員が通り過ぎたら、壁をある程度まで切っておく
②2回目に警備員が通り過ぎたら、すかさず残りを切って、脱出
③少しでも脱走したのに気づく時間をかせぐため、壁をふさぐ
④あとは走って町をでる
よし、これでいこう!
ポイントは壁を切り出し方だろう。後ではめやすいように、なるべく小さめ。かつ切り出しやすい、形は三角形。あまり持ち上げなくてもいいように位置は極力低め。
胸が高鳴る。不思議と不安や恐怖はない。
こんなドキドキして、興奮したことは今までで始めだ!
警備員が通り過ぎて行った。
切り出しにかかるぞ!
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