ものは使いよう

3/8
前へ
/80ページ
次へ
外の様子はどうだろう ボクはナイフを壁に刺し、それを足場にして窓枠に飛びついた。 どうやら外は芝生の広場で、建物の裏側らしい。よし、警備員もいなさそう…… いや、懐中電灯の光が廻ってくる! 少し観察した。どうやらほぼ一定のペースで建物の周りを廻っているらしい。しかしそのペースは3分に1周ぐらいだ。 ボクは計画を立てた。 ①1回目に警備員が通り過ぎたら、壁をある程度まで切っておく ②2回目に警備員が通り過ぎたら、すかさず残りを切って、脱出 ③少しでも脱走したのに気づく時間をかせぐため、壁をふさぐ ④あとは走って町をでる よし、これでいこう! ポイントは壁を切り出し方だろう。後ではめやすいように、なるべく小さめ。かつ切り出しやすい、形は三角形。あまり持ち上げなくてもいいように位置は極力低め。 胸が高鳴る。不思議と不安や恐怖はない。 こんなドキドキして、興奮したことは今までで始めだ! 警備員が通り過ぎて行った。 切り出しにかかるぞ!
/80ページ

最初のコメントを投稿しよう!

31人が本棚に入れています
本棚に追加