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「キーンコーンカーンコーン」
いつの間にか数学の授業が終わっていた。
「葵、ご飯食べよ!」
「あ…。」
弁当を結局家に忘れて来たことに今気が付いた。
「葵、弁当忘れたの!?」
南が驚くのも無理は無い。
うちの学校の購買は凄く混むから、授業が終わったと同時に走り出さないとなかなか買えないのだ。
「あーぁ。今日は昼食抜きでいいや。」
私が笑ってそう言った時だった…。
「葵さーん!!」
窓の外から大きな声がする。
慌てて窓の外を見ると…。
グランドの所に一人ぽつんとあの男の人が…。
ストーカーさんは私を見つけ、満面の笑みで手を勢い良く振った。
「ストーカーさん…!?」
私がぽつりとそう言うと南は凄く驚いた顔をした。
「あ…あれが…?」
「葵さーん!!」
ストーカーさんはまだ叫びながら手を振っている。
あまりにも大きな声を聞き、皆が窓に集まってきた。
「行かなくていいのか?」
皆が面白がって口々に言う。
私は顔を赤らめながら急いでストーカーさんの元へと向かった。
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