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「な…な…にし…て…るん…です…か…?」
ストーカーさんの元に着いた私は、息を切らしながら言った。
「葵さん、お弁当忘れてたでしょ?」
その言葉に私はきょとんとした。
「何で知ってるんですか!?」
「だってストーカーですから。」
ストーカーさんは満面の笑みで言った。
「はい、これ俺が作った弁当です。あげますよ。」
ストーカーさんは驚いた私のことなんかお構いなしに、続けて言った。
「え?いいんですか…?」
「いいですよ。だって俺はストーカーですから!」
ん?ちょっと意味が分かんないんですけど…?
まぁいいや。
有り難く頂く事にしよう。
「ありがとうございます。」
私はきちんとお礼を言った。
「どういたしまして。葵さんって天然ですね!俺が超能力使ったと思ったんでしょー?ストーカーだからって超能力は使えませんよ。葵さんが今朝、『弁当忘れた』って言ったのを聞いてたから分かったんですよ。葵さん可愛いですね。それじゃあ、俺は失礼します。」
にっこり笑いながらそう言って、ストーカーさんはさっさと帰って行ってしまった。
誰も超能力使ったって思ってませんけど?
天然なのはあなたなのでは…?
私は一人でクスクス笑った。
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