ストーカーさんに一目惚れ!?

12/22
前へ
/172ページ
次へ
「な…な…にし…て…るん…です…か…?」 ストーカーさんの元に着いた私は、息を切らしながら言った。 「葵さん、お弁当忘れてたでしょ?」 その言葉に私はきょとんとした。 「何で知ってるんですか!?」 「だってストーカーですから。」 ストーカーさんは満面の笑みで言った。 「はい、これ俺が作った弁当です。あげますよ。」 ストーカーさんは驚いた私のことなんかお構いなしに、続けて言った。 「え?いいんですか…?」 「いいですよ。だって俺はストーカーですから!」 ん?ちょっと意味が分かんないんですけど…? まぁいいや。 有り難く頂く事にしよう。 「ありがとうございます。」 私はきちんとお礼を言った。 「どういたしまして。葵さんって天然ですね!俺が超能力使ったと思ったんでしょー?ストーカーだからって超能力は使えませんよ。葵さんが今朝、『弁当忘れた』って言ったのを聞いてたから分かったんですよ。葵さん可愛いですね。それじゃあ、俺は失礼します。」 にっこり笑いながらそう言って、ストーカーさんはさっさと帰って行ってしまった。 誰も超能力使ったって思ってませんけど? 天然なのはあなたなのでは…? 私は一人でクスクス笑った。
/172ページ

最初のコメントを投稿しよう!

484人が本棚に入れています
本棚に追加