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顔を綻ばせながら教室に入った私を待っていたのは、皆の熱い視線だった。
皆は恐らく彼氏だと思っているのだろう。
ただ一人彼が誰かを知っている南だけが、混乱した表情を見せていた。
「あれ…ほんとに…ストーカー!?」
南が皆に聞こえないようにこそっと言った。
「うん…。本当にストーカーに見えないでしょ?」
「う…うん。それ何?」
南はストーカーさんから貰った弁当箱を指した。
「お弁当作ってくれたんだ…。」
「えぇー!?」
南の大きな声にクラスの皆が反応した。
「ご…ごめん。それで、その中に変な物とか入って無い?」
皆の視線を感じて、南は声を小さくして言った。
確かにそうだ。
ストーカーが作ったお弁当なんてかなり怪しい。
「だ…大丈夫かな?」
私は不安げに南に言った。
「とりあえず、開けてみよう!」
南にそう言われて、私は慎重に蓋を開けた。
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