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「何がそんなにおかしいんですかー?」
ストーカーさんは頬を膨らまして言った。
可愛い…。可愛過ぎる…。
「何でもないですよ。それより、ストーカーさんは何処までついてくるんですか?」
もう学校を出てだいぶ経った。
もうじきバイト先に着く。
今まで並んで歩いていたのに、ストーカーさんは急に私の前に立った。
そして真剣な顔をして、私の顔を覗き込んでこう言った。
「何処までもついていきます。」
その顔は助けてくれた時の顔と一緒だった。
強く、格好いい顔。
可愛いという表現が絶対に当てはまらない顔。
その目で見られた私は顔が真っ赤になってしまった。
「つ…ついて…来ないで…下さい。」
私は心にも無いことを言おうとしたため、動揺してしまった。
「いや、ついていきます。ストーカーですから!」
そう言ったストーカーさんは可愛いストーカーさんだった。
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