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もう駄目だ…。
そう諦めた時、急に解放された。
あまりにも急な出来事に私は驚いて、振り返った。
そこには……ストーカーさんが立っていた。
「今、何時だと思っているんだ!!」
ストーカーさんは凄い勢いで怒鳴った。
意外な言葉とその勢いに私は何も言うことが出来なかった。
ストーカーさんは私の顔を真剣に見つめて、溜め息を吐いた。
「あなたは無防備過ぎます。こんな風にされたら恐いでしょ?次は俺では無い人にされます。一回捕まったらただではすみません。これに懲りたなら、もう遅くまでバイトをしないこと。」
ストーカーさんは先程とは違い、穏やかな口調で言った。
「でも私には…お金が必要なんです…。」
ストーカーさんの言い分はわかる。
でも一人暮らししていく上で、遅くまでバイトをしないのは不可能だ。
私の真剣な表情を見て、ストーカーさんはまた溜め息を吐いた。
「そうですか…。仕方が無いですね。でしたら、せめて男の人に送って貰って下さい。」
「む…無理ですよ!」
「送って貰え!!」
「は…は…はい!」
私は思わずそう言ってしまった。
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