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あっという間にバイトが終わってしまった。
私は今日こそ会いませんようにと思いながら、アパートに向かった。
ここの角を曲がったら家だ…。
今日は会わずに済んだと思ったその時、物陰から出て来た男に手を掴まれた。
「お姉ちゃん、可愛いねぇ。」
無精髭の生えた男が街灯に照らされた。
「は…離して下さい!」
男の力は強く、なかなか手が離れない。
男がどんどん近付いてくる。
「誰か助けて…。」
人通りが少なく民家もないこの道で叫んでも、誰も気付く筈がなかった。
私は怖くて思わず目を瞑った。
ドスン!
「痛っ!」
鈍い音と男の痛そうな声が聞こえた。
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