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次の日、私は夢心地のまま登校していた。
昨日助けてくれた男の人が何度も何度も頭に浮ぶ。
「あー…また会えないかなぁ。」
ふと嫌な予感がした。
弁当を忘れたのだ。
取りに帰らなくちゃ…。
来た道を戻る為に後ろを振り返ると…。
昨日の男の人が立っていた。
スーツが凄く良く似合っている…。
「き…昨日はありがとうございました!」
声が少し裏返ってしまった。
「どういたしまして。」
男の人は微笑んで言った。
明るい所で見てもやはり格好いい。
まさか今日会えるなんて夢にも思わなかった。
凄く凄く嬉しい。
でも…次会えるのはいつ?
そう思うと胸が苦しくなった。
そして…思わず言ってしまった…。
「あなたの事が好きです!」
昨日会ったばかりの人なのに…。
私は急に恥ずかしくなり、俯いた。
聞かなかったことにして欲しい…。
私は心からそう思った。
恐る恐る顔を上げるとその男の人は困惑した表情をしていた。
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