彼女と早苗

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「まだ内容も言ってないのに…。」 すこし苦笑いの編集長は内容を説明するからと、私を応接セットらしきもののソファーへ促した。 「早苗ちゃん…美人ピアニストの殺人事件知ってるょね?」 「えっ!!」 この編集長が受け持つ雑誌は隔週で発売される女性紙ではあるものの、特にゴシップなどが飛び交うものとは違う。 働く女性をターゲットにしたファッション紙とも少し違う経済情報誌の様なものだった。発行部数はそこそこだったが、チャラチャラした感じのない…活字がしっかりある紙面、かといって固すぎずといった感じ…。 「あの…毎日の様にワイドショーでやってる…」 違和感……そんな感覚…。 編集長はその私の気持ちを察したように…説明を続けた。
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