緋色の微笑み

予兆

「じゃあ…すみません。明日の夕方位には大阪に入りますので。」

「ああ…。気にせんとゆっくり来たらいいから。早苗さんもたまにはゆっくり一人の時間を楽しみなさい。」

私と尚夫氏の間にはなんの血縁関係もない。腹違いの私を快く受け入れてくれた尚夫氏には感謝している。
でも、やはりそこには遠慮という見えない壁があった。が…それはそれで平和に楽しく暮らしていた。