緋色の微笑み

訪問者

「今、他に誰かいるのか？社長……お義父さんは？」

「今、みんな地方で…私だけですけど……。」
私が言いよどんでいると…

「社長居ないなら平気だな！」
カッパを脱いでズカズカと家の中に入ってくる。

「あ、あの……」

「あぁ気にしなくていいから。元は俺の家だしな！」

なんなんだこの人は…。
でも、確かにお父さんの様だ。迷う事なく一直線に２階にあるリビングへ進んで行く。

私はどうしていいのか…あまりに突然の訪問とほぼ初対面の娘に対しての横柄な態度に戸惑いながらも後ろから着いて行った。