空色紙ヒコーキ

6/21
1716人が本棚に入れています
本棚に追加
/342ページ
.  咲はあわてて立ち上がった。  いくら風が強かったとはいえ、そんなに遠くにはいっていないだろうと予想した咲は、近くの草むらから木と木の間まで、くまなく調べはじめた。  やがてさして時間はかからずに見つけられたものの、まだ素直に喜ぶことはできなかった。  なんという不運か、咲の帽子は、ひょろりと危なっかしく伸びる桜の木にひっかかってしまっていたのだ。 .
/342ページ

最初のコメントを投稿しよう!