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その後、虎はちゃんとした杯を持ってきた。
それには清みきった水が入っていた。
『これに汝の血と私の血を垂らし。さぁ、飲むのだ。』
虎はさっき一杯流したエリスの血を数滴垂らし自分の血も数滴垂らした。
「んっ。」
エリスは血の混ざった水を一気に飲み干した。
『良し。では・・・
我、ディンが名に誓おう汝、エリス・マーカーと契約を誓い汝が使い魔にならん事を!』
虎もといディンが呪文を唱えると持っていた杯が光だした。
「きゃっ!」
エリスはまた目を瞑り開けるとさっき居た訓練場に座りこんでいた。
「戻ってきたのね・・・ってあら?」
『ぼふっ』
エリスは立ち上がろうとするがふらつき倒れそうになったが何かが支えてくれた。
見るとそれはディンだった。
『まったく。主よ。主は血を流しすぎたのだからまだ立つことは出来ん。だからほれ、私の背に乗るが良い。』
支えてくれたディンはエリスを背に乗せた。
「ありがとう。じゃあ私が言うからそこに向かって。」
『御安い御用だ。』
エリスが言うとディンは目的地に向かい歩き出した。
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