撮影者

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あるのは戦闘機や戦車など破壊兵器ばかり。   ファインダー越しに見るそこは、地獄を切り取ったようだった。   灰色の空には、今もミサイルが飛び交い、四方で爆発が起きている。   私はそれを交わしながら、1枚2枚と写真を撮る。   今私は、地獄を撮っているのではない、世界を撮っている。   写真を撮る時、そのことをいつも忘れない。   頭の砕けた像を撮っていると、目の前で爆発が起きた。   危険だと察知し、平民がいる防御避難所へと、私は逃げ込む。   避難所には、たくさんの老若男女がいて、家族ごとに身を集めている。   その中の一隅、片目の取れたクマのぬいぐるみを大事そうに持った少年が、老人の男性に話しかけていた。   私は、近くに行って、1枚写真を撮った。   「なんで戦いしてるの?」   少年が聞き、老人は答えた。   「昔、平和で空が青かったころの話だ。二人の男が、こんな会話をした『なぜ空はいつも青いのだ』。それがこの戦争のきっかけだ。二人の男は、いや、半数の人が平凡を嫌っていた。平和の代償がこの戦争だ。」   少年は理解できただろうか。ぼんやりしながら言った。   「空って、青いんだ。」   私は鞄から1枚の写真を取り出し少年に渡した。   少年は私に聞く。   「これは何?」   青い空。これは写真と言って、青い空を
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