526人が本棚に入れています
本棚に追加
竜花と春香は相変わらず仲良く学校に通っていた。
昨日まではー
春香の両親が何者かに殺された。
春香はそれを感じさせないようにいつも通りを装った。
しかしいつも一緒にいる竜花からすれば何があったかお見通しだった。
春香も竜花も学校を休み、春香は家に閉じこもった。
「お母さんどこ?お父さんは?」
春香はそう言った。
誰もいない自分の家に。
「お母さん買い物に行ったのかな?お父さんは仕事だった」
春香は力無く笑う。
大人でも辛い両親の死を小学生の春香は必死に耐えていた。
春香は涙を流しながら外を見る。
それは後に起きる事件の予兆だった。
竜花は混乱していた。
春香の両親の死というものは春香だけが悲しいものじゃなかった。
竜花自身が深い関係ではないが全ての人間共通の恐怖。
殺されたということは次は自分の家かもしれないということが余計怖かった。
春香の事件以来竜花は母親のそばを離れなかった。
最初のコメントを投稿しよう!