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姉は押し倒された格好で…つまり床に寝て顔を紅潮させている。
竜花はオロオロしながら大丈夫?と何度も話しかけている。
姉とはいえ同年齢だ。
するりと伸びた腕が竜花の頭を掴む。
「ふんっ」
竜花は何気なく腕をかわす。
そのまま姉を抱き起こした。(竜花を見つめて顔を赤くしている春香のことは無視した)
「ごめんね竜花ちゃん。はしゃぎすぎちゃった」
落ちこんでいた春香の頭を撫でながら椅子に座らせた。
すると不意にチャイムの音。
「竜花ちゃ~ん」
竜花はとっさに鍵を閉めてしまった。
なぜなら何かと竜花を世話してくれて竜花が好きになりかけている女の子だった。
名を柊香澄(ひいらぎかすみ)という。
そっと鍵を開けて「開いてます」といってからリビングに向かった。
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