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その後は延々と続く雨だった。農作物は腐り、木の実は熟さずに木から落ちた。
雨はなおも降り、辺りを暗くして降り注いだ。
それでも手のひら程でも農作物を収穫したいと願っていたが、
更にその出来事に追い討ちをかけるが如く、大霜が降りた。
人々は精も魂も抜け果てた。
餓えがやってきた・・。
前の二年にも続いて、凶作は更に続いた。
葛の根、蕨の根、所々の根を掘り、
藁を粉にして練って炒り焦がしにしたものを食って、人々は食いつないだ。
犬や馬といった動物を食い、紙を煮て食うことを覚えた所では、寺のお経の本を全て煮て食った。
ある領主は心を痛め、飢饉を切り向ける方法を農民に教えたが、
それは、泥や排泄物を煮て食えという方法だった。
しかしそれにも関わらず、飢饉は人々を襲った。
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