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『大僧正さま、空也ひとりで行かせてよかったのですか?』
僧侶の一人が、おずおずとたずねる。
『案ずることはない。
空也には、出会う宿命の者達がおる。
お互いに惹かれあう運命にある。
必ず、四国で出会うであろう。
同じ目的を持つ者にな。』
大僧正は、そう言うとまた天を仰いだ。
『バカな者達が、この高野に集まって来ておる。
だが、ここにはまだ入れまい。
残りの3つの結界を破り、そして最後に、この高野の結界を破らなければな。
まだ、お前たちの主の復活はあり得ぬぞ。
残念だがな。
必ずや、この高野を守るものとして、お前たちの主の復活はさせぬ。』
空に向かい大僧正が呟いた。
その目には強い意志が表れていた。
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