犬は喜び庭駆け回り……ってあいつら単にバカなだけじゃね?

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周りを流れて行く白い光に囲まれながら、修は隣を移動しているロイにきいてみた。 「なんでロイが来たんだ?」 ロイは少し考えると、微笑みを湛えたまま、弁解するように言った。 「本当はお嬢様も会いたがっておられたんですよ? ですが客人を迎えるのは執事の役目だ、とジェオンさんがおっしゃって……」 「いや、別にそういう意味で言ったんじゃ……」 本当はリリアに来てもらいたかったのだと勘違いされたようなので、修は慌てて取り繕った。 「ところで、ジェオンさんも執事なのか?」 「さようにございます」 修の隣、ロイの反対側から深みのあるゆったりとした声がし、修がそちらを見るといつの間にかジェオンが二人と並んでいた。 「一番の年長ということで、私めがリシュタイン家の使用人を仕切らせていただいております」 つまりはこの老人が使用人のトップ……修はそう考えた。おそらく『亜空間ゲート』を開いたのも彼なのだろう。先程からかなりの魔力を感じる。 (なんか……「じいや」とか呼ばれてそう……) 修がそんなことを考えているうちにゲートの出口が見えてきた。
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