生まれた意味を知るR(ピー)G

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ベッドの中で、柔らかい感触を修は抱きしめた。おそらく抱き枕か何かだろうが、寝ぼけた頭では判断しかねる。 腕の中の柔らかさの次は、身体の所々を妙に締め付けられるような圧迫感を覚えた。腕、脚、胴の辺りから感じる。 修は服の中の状態を確かめようとしたところで、自分がいつも寝る時に着ている服とはまったく違うものを着ていることに気付いた。 同時に、何故自分はこんな状態になっているのだろうかという疑問がようやく浮かぶ。 確か、自分はリオンと戦った後で魔力の使い過ぎと血の流し過ぎで倒れてしまったはずだ。 修は首だけ動かして、辺りを見回した。 白い、清潔な感じのするベッドに寝かされている。天井も白く、シーツの膨らみの向こうに見えるベッドの傍らには簡素な丸椅子が置かれている。少なくとも、リシュタイン家やアクアフィールの寮ではないようだ。 ベッドの反対側も見ようとしたところで不意に、自分が抱きしめていた何かがもぞもぞと動いたので修はぎょっとした。 恐る恐るシーツをめくり、中を見てみる。 「うっ……」 思わず修の口から呻き声が出た。

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