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俺は学年時代サッカー部だった。
長らく補欠に甘んじていたが高3のインハイ予選前に念願のレギュラー獲得。
それも憧れの人と同じ背番号11だ。
しかし練習中にアキレス腱を切ってしまいインハイはもちろん選手権すら絶望的になってしまった。
見かねた親が俺を元気づけようとヴェルディの練習場に連れてってくれた。
練習後、松葉杖をついてる俺を見てカズが話しかけてきてくれた。
「その足どうしたんだ?」
と。
俺は驚きながらもこれまでの経緯を話した。
レギュラー獲得直後に怪我をしたこと。
背番号11を着れそうにないこと、カズと代表で2トップを組むのが夢だということ。
そしたらカズが
「君の怪我が治るまで俺はいつまでも待ってるからサッカーを辞めちゃダメだ。
いつか2トップを組もう。」
と言ってくれた。
あの日の約束を覚えていてくれているか分からないがカズは40歳を迎えた今も現役で頑張っている。
色んな背番号11を見てきたが俺の中では背番号を11は一人しか存在しない。
そうキングカズだ。
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