雨と雪と

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…衝撃的でした。 今まで青山さんの書く小説というのは、例えショッキングな出来事があっても遺恨だったり復讐だったり、そんな描写は極力避けてらっしゃったんですけど… ましてや登場人物を死なせたりはしなかったんです。 話としてはまとまっているし、辻褄も合う… けれどいちファンとしてはショックを隠せませんでした。 「…どう思う?」 「そんな事僕に言われてもですね…」 …私は一つの決心をしました。 「今村君、私を青山聖二に会わせてちょうだい。」 「ええっ!?それはマズいですよ!」 今村君は目を丸くして驚きました。 「白石さんも知ってるでしょう? うちの出版社は作家同士を会わせないようにしてるって…」 「私は作家じゃないわよ。」 軽く睨む私に、今村君は戸惑いながら頭をかきむしっています。 「困ったなぁ…」
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