北部陣地への合流命令

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北部陣地への移動は敵の出現が低い深夜に開始した。さすがは日本兵だけあり、足音一つなく進んでいく。途中、いくつかの壕に隠れながら進んだが、壕の中の日本兵は、手榴弾を片手に自決の用意をしていた。 「諸君、戦いは残念だったが、諸君らの栄光は必ずや後世に受け継がれるだろう。諸君、靖国で会おう!」 「バンザーイ!」 ドン! 「うぁぁぁぁぁ!」 ドン! 「バンザーイ!」 ドン! 「うぅ…」 ドン! まさに惨劇であった。 最後に部下全員の自決を見届けてから、その小隊の指揮官は自分の拳銃で自決した… 一部では、敵陣地へ突撃している中隊もいた。 「突撃ー!」 「うおぉぉぉぉぉぉぉぉ…」 ガガガガガガガガガガガガガ… 突撃は失敗であろう、物量で勝るアメリカに不屈の精神だけでは勝ち目はない、皆がそう感じていた。
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