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着任後、訓練を独自に行っていた我々の所に、戦車第26連隊の連隊長、西竹一中佐が訓練を見にきて下さった。
「中佐!」
「いや、訓練を続けてくれ。閣下に一目をおかれる部隊の訓練というものを見てみたい。」
中佐らしいお言葉であった。西中佐は、ロサンゼルスオリンピックの馬術競技の金メダリストであり、部下思いの優しい上官であった。
「以上、訓練終わり!解散!」
号令をかけると、私は中佐から呼び出しをされた。
「いい腕してるな、小銃の扱い方が上手いよ。自信を持て」
「はい!ありがとうございます!」
嬉しかった。こんなに頑張って訓練しただけあって、中佐に誉められるとは…
ま、この誉められる技量も使わずじまいだろうな。まさか使う日が来るとは…
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