着任

3/3
454人が本棚に入れています
本棚に追加
/76ページ
着任後、訓練を独自に行っていた我々の所に、戦車第26連隊の連隊長、西竹一中佐が訓練を見にきて下さった。 「中佐!」 「いや、訓練を続けてくれ。閣下に一目をおかれる部隊の訓練というものを見てみたい。」 中佐らしいお言葉であった。西中佐は、ロサンゼルスオリンピックの馬術競技の金メダリストであり、部下思いの優しい上官であった。 「以上、訓練終わり!解散!」 号令をかけると、私は中佐から呼び出しをされた。 「いい腕してるな、小銃の扱い方が上手いよ。自信を持て」 「はい!ありがとうございます!」 嬉しかった。こんなに頑張って訓練しただけあって、中佐に誉められるとは… ま、この誉められる技量も使わずじまいだろうな。まさか使う日が来るとは…
/76ページ

最初のコメントを投稿しよう!