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「全員よく聞け、敵は摺鉢山を総攻撃している。そこでだ、幸いこの壕と摺鉢山の壕は地下通路でつながっている。閣下の了承は降りている。摺鉢山を援護しに行くぞ!」
中隊を連れて壕内を走る。
「千鳥飛行場守備隊の西田中尉だ。中隊で君たちの援護にきた!閣下の了承は得ている。指揮官はどこに?」
「はっ!あちらの塹壕で陣頭指揮を取られております!」
「ありがとう!中隊、そこで待機!」
俺は足早にここの小隊長の、田原少尉のもとへ走る。
「陸軍第51中隊、栗林閣下の了承を得て援護に参りました!」
「中尉殿!ありがとうございます。人員が少なく、危なかった所であります!」
「我が中隊は君の命令で動く、命令を」
「申し訳ありません。では、そこの塹壕が先ほどやられました。そこと、上の高台からの狙撃を願います!」
「了解した、狙撃兵出身のものもいるからな、私も含めてだ。各員、隊を二分する。機関銃部隊はそこと少し後方の塹壕より一斉射撃!狙撃部隊は、俺と上に上がる!機関銃部隊、俺の合図まで撃つな!」
俺は高台に部下数名を連れて上がる。
「見ろ火炎放射機を持ってきてやがる。その両隣に1人ずつ。お前ら、一発で三人仕留めるぞ。よく見とけ」
俺は愛用の38式に弾を一発だけ込めて雑納から、狙撃部隊にいたときの照準眼鏡を取り出し装着した。そして照準眼鏡を覗いて……
「バウン!」
発砲した瞬間、火炎放射機を持ってきていた兵士は粉々になり、両隣の2人はぶっ飛ばされ、死んでいる、私はわざと火炎放射機を狙った。
「いいか?撃ったらすぐに伏せろ。撃ってくるからな。」
米軍は驚き、走ってきた。
「機関銃部隊、今だ!テッ!」
ガガガガガガガガガガガガガガガガガガ!持ってきた92式重機関銃4つが火を噴く…
敵は一旦摺鉢山から後退したが、それも一時の休息を取るくらいしかなかった。この後、我々はこの世の地獄を見ることになる……
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