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我々の防衛もむなしく、24日に摺鉢山は陥落した。しかし本当の地獄はこれからであった…
「中隊長、北部陣地からの伝令です。栗林閣下からの命令で、摺鉢山守備隊の生き残りはなんとか北部陣地に合流してほしいとの事です」
「そんな………無茶だ!」
この摺鉢山と司令部壕のある北部陣地までは、地下通路が通っていないのだ。つながっていない以上、地上を通るほかないが、敵が陣地を構えているすぐそばを通るため、蜂の巣にされる可能性も高い。
「とにかく、北部陣地へ行くぞ!弾はなるべく節約しろ…。隣のやつの顔を覚えておけ、北部陣地に着いたころには、既にいないかもしれん。全員で北部陣地まで戻るぞ!」
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