2/4
前へ
/115ページ
次へ
 「あたしじゃないんだから… なにもかも、この男が悪いんだ」   女性の声が美術室にこだました。    今、この美術室にあるのは 悲鳴をあげた私・並べられている机イス・教卓・生徒が書いたのであろう絵が窓側に廊下側に張られている。 そして 目の前には後頭部を花瓶で私に殴られた美術教師が倒れている。      「どうしよう…」    私は正気を取り戻した。 今日は日曜日だから先生も生徒もいない… だけど 警備の人がいるはずだ。 物騒なこの世の中で警備員がいないわけないんだ……     ―――あれから30分が経った。    私は美術室の壁にかけてある楕円形の時計を見上げた。 「もうすぐ11時か… やばい、 お昼の見回りで警備員が来ちゃうよ」    この美術室は 学校の校舎と離れているところにある 生徒は 美術室に繋がっている外の廊下を通って来るのだ。 もちろん 警備の人も同じだ。
/115ページ

最初のコメントを投稿しよう!

150人が本棚に入れています
本棚に追加