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 美術準備室に運び出した私は、男を寝かせて置き 棚にあった青いビニ―ルシ―トで男が隠れるようにかけた。    美術準備室はとても狭い部屋だ。 約10畳ぐらいの広さだろう。 そこに 絵やら棚やらが置いてあるから 人が四人入れるか分からないぐらいの広さだ。    それにしても…  「ここ暑いよ。 美術室とは大違い あっ… これじゃあ、腐るのが早まるんじゃ」    ここで良かったのだろうか… これでいいのならアリバイを作らないと。    警備員にも顔は見られてない。 この男が、気付かれないように来い。と言われたからだ…    「早くここから逃げないと…」    私は 証拠品である花瓶を男の倒れている前まで持っていき。 頭の上目掛けて花瓶を床に投げ付けた…  「悪いのは私じゃない。 あんたが裏切るからいけないんだ。 捕まらないから 絶対に捕まらないからなっ」 私は男に怒鳴り飛ばした。 倒れている男を見ていると左手だけがビニールシ―トが掛かっておらず 左手の手のひらをみると何やら文字が書いてあった。 「『アニメ』 ははぁ~ダイイングメッセージってやつ? 何がアニメよ。これで犯人が割り出せるなら警察なんていらないのよ」 左手を足で踏みつける。 「痛いとか言えないよね… じゃあね美術の先生」 美術準備室の窓を開けると身をのりだし そこから犯行現場から逃げるように去った。 手袋をそこら辺のゴミ出しに捨てると セミの声が鳴り出してきた。 (全ては完全 復讐は果たした。)
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