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決して嫉妬をしている訳じゃないけど、
こうゆうタイプの男を何回も見てきた。目的は決まって礼美に会うためだ。
それが嫌だとは感じない。
いやと感じるのは、それに対する礼美の態度なんだ。誰にも彼にも優しくする性格が好かない。
「今なにか言った?」 本を棚に戻す為に立ち上がる拍子に質問された。
「いやね…、またあいつもお前に会いたいが為に本を借りたのかと思ってさ」
「そんな訳ないよ。あの人は本が好きだから借りたんだって!」
「まっいいんだけどさ
てかさ、放課後ひま?」
「予定ないけど」
「そっか、じゃあ一緒に事件現場にいくか!!
今度は死体がないから大丈夫だでっ」 ピースを差し出すと、直ぐに目線を外され本棚に向かってしまった。
多分、事件現場に行ってくれるとは思うのだが。
最後のピースが気に入らなかったらしい。
この状況を打破するかのようにチャイムが鳴った。
次の時間は『物理』だ…
『現象には必ず理由がある』
この言葉に探偵に必要な心構えが備わっていると思う。
だから、僕は物理の時間が好きだ。
「次は物理かぁ…
早く行かなきゃ遅れるぞ!」
「なんで上目線なのよ…
早くいくから待っててよ!」
本を手早く直すと。
図書室を後にした…
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