‐世界‐

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‐世界‐

家に着き、 自分の部屋に戻る俺。 部屋の真ん中には小さなテーブルがあり、 ゲーム雑誌やマンガに空き缶などが満載する。 それをざっと端に寄せて、 大切な手荷物を静かに置く。 ―サァー。 カーテンを横に払い、 日の光を入れる。 そのままの足で、 軽快なジャンプでもってソファへと飛び移った。 はっきり言ってテンションの高い自分。 鼻息も荒いときてる。 心臓はバクバクと、 張っては縮むを繰り返すのが分かった。 「ふうぅー、はああぁ…!」 深呼吸を続ける。 たまに、止めてみたり…。 多分世の少年たちもまた、 こんな風に気持ちを落ち着かせたり高ぶらせている事だろう。 待ちに待ったゲームを始める瞬間は、 自然とこうなってしまうものだと俺は思う。 ソファに落ち着いたまま、 綺麗な姿勢で袋に手を掛け、そっと箱を取り出す。 真っ黒いパッケージが、 日の明かりで艶だっている。 THE GAMEの文字は煌めいていた。 さぁ開けよう…。 もちろん、 GSの充電は済んでいる…当然だ。 箱の開け口に手をやる寸前、 アヤの言っていた言葉を思い出した。    
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