‐世界‐

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「ちょっと、離して! 聞いてるの!?離してってば!」 玄関の前、 外に出ると俺と同い年くらいの女の子がサラリーマン風の中年男に腕を捕まれていた。 「ふーっふーっ…!」 中年男の息は荒い、 女の子に興奮しきりかよ…! 「てゆーかっ! 人の家の玄関先で何してんだコノヤロー!」 「ふーっふ、…あぁ?」 中年男が気付き、 こっちを振り向いて俺を睨む。 女の子は捕まれていた腕を振りほどき、 隙を突いてその場から離れる。 「変態野郎! さっさとどっか行かねぇと警察呼ぶぞ!」 俺がそう言うと、 中年男は吹き出す様に笑いだした。 「…ケーサツ? くく、ぶわははは!!」 「何がおかしいんだよ!?」 「――ッははは、 呼べるもんなら呼んでみろ! ただ、 “この世界にいるのかな?”」 「…はあ?」      
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