‐世界‐

11/14
前へ
/33ページ
次へ
「…じゃあさ、 うち来る?そこ俺の家だからさ。」 「それなら早く中に!」 「お、おう!」 事が起きたのは玄関の目の前。 たった今出会った女の子を何故か家に招く形となってしまった。 「――おじゃまします。」 そう小さく言うと、 靴を脱ぎ捨てその子は遠慮なく上がっていった。 「わわっ!母さん!友達きたからっ!」 慌てて俺が声を掛けても、 居るはずの母さんからの返事は返って来なかった。 「君の部屋は?」 チラチラ様子を伺っている。 「あ、えっとそこの階段上がってすぐの扉…。」 階段を上がる途中に振り返り、 玄関を指差す。 「そうだ、ちゃんとドアに鍵掛けて!」 俺はその子に言われた通り、 鍵を掛ける。 「なんなんだ…、こいつ…。」    
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加