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「さっきのはちょっとばかし痛かったぞ坊主?」
「はやく…っ!
選んでリツ君、はやく!」
男が刀を片手で振り上げる。
「くぅっ…!」
俺は恐くて目をつぶった。
ケータイを握り締めたまま、
とっさに腕を交差させて頭を隠す。
「リツ君ーッ!」
後ろでアイカが叫ぶ。
うずくまった状態の俺は、
歯を食い縛ってケータイのボタン押した…!
――ッガチン!
強い衝撃と金属音。
バッと顔を上げると、
それまで持っていたケータイは刀に変わっている。
「え…!?」
俺の持つ刀と男の振り下ろした刀がぶつかり、
衝撃を受けた男が多少退けぞった。
俺もまたしゃがんでいた体制を崩されて尻餅をつく。
「…やった!」
後ろでアイカの喜ぶような声が聞こえたが、
俺にはまだ何が起きてどうなったのか理解ができなかった。
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