‐バトル‐

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もういちど顔を上げる。 すると、想像もしなかった光景がそこにあった。 胸に刀を刺したまま目をつぶる男が、 ゆっくりと宙に浮いていく様子。 瞬間、その男が音のない花火のように弾けて、 パラパラと光の花びらが散っていく。 俺はそれをボケッと眺めた。 綺麗だったけど、 寂しくて恐ろしい気持ちにもなった。 「怖がらないで、これはGAMEだよ。今の人はゲームオーバーになっただけだから。」 アイカも外に出てきて、 俺のと思われる刀を手渡した。 さっきまでのアイカとは違い、 落ち着いた表情になっているのが分かる。 一件落着ってとこなのかな。 「それなら、生きてるんだろ?」 そんな当たり前な言葉を口にした。 これはゲームだ、 もちろん分かってるつもり…。 ただ現実に起こった事と一切変わりなく見えて、 不安になったんだと思う。 「うん。…だけど、この世界には戻ってはこれないよ。」 「…そっか。」    
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