‐はじまり‐

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俺とシンが部屋で二人になる。 すぐに戻ってこないとこを見ると、 ユウマは大きい方を処理しているのだろう。 「ダメだ、いくら検索しても出てこないか。 それにガセネタばかりで探しようがないな。」 ケータイをパタンと閉じるシン。 「シン、シンはアレ…買う?」 「あれって?」 シンが聞き返す。 クラスの中でも一番モテるこいつは、 しっかり者で勉強もスポーツもなんでもこなす凄いやつ。 キザなとこもあるけど、 落ち着きのあるシンのお陰で、 一緒に居ると俺も冷静な判断が出来る。 「もちろん“THE GAME”の事。 シンは買うだろ?」 「んーどうだろ。 リツが買うなら俺もそうする。」 目を細めてニコリと笑うシン。 「…うん、買う!気になるし!」 「そうだな。あ、リツ! 俺明日ばあちゃんの家行ってくるけどお土産何がほしい?」 シンのばあちゃんは駄菓子屋を営んでいる。 「あれがいいな! ちっちゃいヨーグルトのお菓子!いっぱい!」 「オッケー!ユウマはデカ塩チョコでリツはそれな。」 「いつ頃戻ってくんの?」    「顔見せに行くだけだから、 すぐに戻ってくる。 帰ってきたらやろうぜ、“THE GAME”!」 「おう!」 話が終えた頃に、 ユウマが戻ってきた。 「スッキリしたー!」    
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