アンドロイド

裏社会

その場にいた人間はその様子をじっと見ていた。

というより動けなかった。本物のアンドロイドが自分の目の前にあるのだ。

男が証拠と言って綾の腕に挿したナイフから血が流れなかった。確実に血が出るほどの傷なのにだ。

そして、その様子を見た全ての人間がアンドロイドの作製ができるということと、その精巧さに驚いた。

そして、危険だといっていた人間も、自分も造りたいという衝動にかられた。

「綾がここに存在しています。血を流さないということとメインスイッチがあるという点以外は本物の人間です。歳もとります。そういう素材を使っているからです。そして、自分の思い通りの性格、見た目にすることができます。みなさんで素晴らしいアンドロイドの世界を造りませんか！？」

とその男が言った。

少しずつ思い思いの欲をもった人間が賛成と言って手を挙げていった。
最初は反対だと言っていた者も実物を前にして、心が動かされたようで手を挙げていった。
そして全ての人間の手が上がった。