憂鬱なバレンタイン

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「もうすぐバレンタインだね。翔太くんはモテモテだから、たくさんチョコを貰えそうだね」部活も終わり、学校から一緒に帰りながら不意に先輩が言った。 いつも僕ばかりがやきもち焼いてるから、この時とばかりに先輩にやきもちを妬かせようと思った。 「そうだね~。今からいくつチョコを貰えるか楽しみだよ」 「そっかぁ。なら、私はあげなくていいよね?今月、お小遣いを使いすぎちゃってピンチなんだよね」先輩は困ったように眉を潜めた。 そんな困った先輩の顔もカワイイなぁと思ったが、先輩の言葉に僕はかなりムッとしてしまった。 「ハァ…。お小遣い使いすぎたってさ…。先輩はもうすぐ卒業する人なんだから、そういう事はもう少しキッチリした方がいいんじゃない?」自分でも驚くくらいキツイ言い方をしてしまった。 そんな僕の言葉に先輩はシュンと落ち込んでしまったようで、家につくまで言葉が少なくなってしまった。 ちょっと言いすぎたかな? でも、今年のバレンタインは僕にとっては先輩が卒業してしまうから特別なバレンタインだったのに、あんな事言うから僕だって頭に来てしまう。
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