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「――――外した…」と上から突然何かが現れ、吸血鬼の腹部を切り裂き、吹き飛ばした。
必死に目を凝らすと、黒い帯を眼帯にした少女が一人立っていた。
「たく、少しは本気を出せ!炯邪(けいや)。お前のせいで、一日まともに動けなくなるんだからな」と麗彌さんは立ち上がった。
いや、浮いていると言った方が正しいだろう。
まるで足があるかのように宙に浮いているのだ。
そして右腕はすでに人の機能を持っておらず、骨のみの状態になっていた。
だが、今はそんなことを気にしている意識はすでに持っていない。
ただ思考に入ってくるのは、目の前にいる人物の顔だけだった。
「久しぶりだな、アイシャちゃん」と目の前に佇む女の子に笑顔を見せた。
彼女は表情ひとつ変えずに、自らの身長と同じ大剣を手に取り
「―――私語厳禁」といい放つと、一気に吸血鬼に突っ込んだ。
「へぇ~人形使いまでいるとはね」と吸血鬼は、自らの爪を10cmほど伸ばすと、その場で空を斬った。
すると五本の風の刃が発生し、アイシャに向かって突撃した。
アイシャは大剣で刃を凪ぎ払うと、吸血鬼の喉元に刃を突き立てた。
「―――終わり」とその大剣を吸血鬼の喉元に突き刺した。首から鮮血が飛び、辺り一面を赤く染めた。
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