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何やらデカい物体が出たかと思った瞬間
「おめでとうございます」
助産婦が笑顔で言い抱き上げた娘を看護婦に渡した。
娘を渡された看護婦からとっさに出た言葉に耳を疑った。
「デカッ!!」
「えっ?」
「ごめんなさい。大きい元気な女の子ですよ」
看護婦は苦笑いしながら言い直した。
「大き……い?!」
看護婦は娘を私の横に連れてきてくれた。
産み終えたばかりの私の目は力み過ぎから焦点が合わないせいか見たところそんなに大きいようには見えない。
だが…サイズを聞いて驚いた。
身長55センチ。
体重4144㌘
「え…?4144?」
私の普段の体重は53キロだが産み月には85キロにまでなってしまった。
まるでバルーン状態の体
それは誰もが私の妊婦姿に驚いたほど。
つわりが治まる頃から異常とも言える食欲。
突き破られるかと思ったほどお腹を蹴る力は強かった。
これは全部この大きさの娘が入っていたからと思うと納得できる。
看護婦が娘を綺麗に洗ってくれているが重そうだ。
病院が用意した産着を着せてもらい私の横へ寝かせてくれた。
焦点が合った目で改めて見てみる。
デカい。
髪の毛多い。
多少上向いた鼻。
その鼻の穴が異様に大きいようだ。
鼻息荒そう。
目をパチッと見開いている。
貫禄がある。
大きいせいか今誕生したばかりの赤ん坊には見えない。
たくましい…だが女の子だから…という安心感があった。
でもそれは甘い考えで現実は全然違っていた。
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